2014年2月5日水曜日
NewsLetter「住まいと健康を考える」暖炉と室内空気質
NewsLetter「住まいと健康を考える」が更新されました。2014年2月は、世界保健機関(WHO)欧州の昨年12月のニュースレターから、暖炉と室内空気質に関するトピックを紹介します。
http://www.chilchinbito-hiroba.jp/column/kenko/
近年の南アフリカにおける考古学上の発見によれば、人類は約100万年前から火をうまく使って照明や暖房、調理を行っていました。現在でも世界でみると大部分の人たちが貧困な生活を送っており、調理をするために開放燃焼型の炉を使用しています。しかし燃焼排出物によって健康影響をもたらすこともこれまで指摘されてきました。
ここ数年、欧州では木材燃焼型の暖炉の人気が再燃しています。暖炉は快適で暖かい環境を作り出します。エネルギー価格が増加する時代の中で、木材燃焼型の暖炉は、化石燃料と比べて維持費や資源保全の面でメリットがあると考えられています。木材を燃焼すると二酸化炭素を排出しますが、森林の木は二酸化炭素を吸収しますので、資源循環にもなり得ます。ただし不完全燃焼を起こすと、多かれ少なかれ有害な燃焼生成物を生成します。
最近欧州では、木材燃焼型の暖炉とともに、液体エタノールやゲルを燃料とした燃焼型暖炉の使用が室内用途で増加しています。しかしこれらの燃焼器具でも、開放状態で使用すると燃焼生成物を室内に排出します。
これらの器具メーカーは、エタノールは完全燃焼すると二酸化炭素と水だけしか生成しないと説明しているようで、エタノールが完全燃焼しない可能性については考慮されていないようです。特に、100%純粋なエタノールが燃料として用いられていないことについても考慮されていないようです。実際にエタノール燃料には変性剤が添加剤として含まれているようです。
木材燃焼型の暖炉では粒子状物質、窒素酸化物、一酸化炭素などが、エタノール燃焼型の暖炉では窒素酸化物が多く生成することについて、WHO欧州は指摘しています。
WHO欧州は、室内空気質ガイドラインとして、燃焼生成物に関するガイドラインを現在作成しています。昨年末に公表される予定でしたが、少し遅れているようです。公表されましたら、本トピックで紹介いたします。
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